伝えた“つもり”が一番こわい 〜DX現場で感じたコミュニケーションの本質〜 あどみん

DX担当としてヒアリングを重ねる中で、組織内の「情報の行き違い」や「意思疎通のズレ」が、業務効率や現場の士気に与える影響の大きさを日々痛感しています。
特に、「組織が縦割りである」「上司が大事な情報を下に伝えていない」という声は、どの部門からも共通して挙がっています。これらは単なる技術や制度の問題ではなく、私たち一人ひとりの“伝え方”に深く関係しているのではないでしょうか。
【なぜ伝わらないのか】

中間管理職以上の方にこそ知っていただきたいのは、「伝えたつもり」がいかに多くの誤解や不信感を生むか、という事実です。
たとえば、
・会議で一度言ったから伝わったと思っている
・ホワイトボードやカレンダーに書いたから見ているはず
・自分の中では明確に意図していた
という行為が、実際には相手に何も届いていなかったり、まったく違う解釈をされていたりします。
特に立場が上になると、
相手が「察する」「理解しているだろう」
と無意識に期待してしまう傾向があります。
それはムリです。

人はよっぽどの事が無い限りその人に対して興味を持たないし、話を聞いて100%は理解していません。
これが、現場とのズレを生み、縦割りや分断を助長してしまう要因となっています。
【どのように伝えるべきか】

では、どうすれば「伝わる」のでしょうか。
・1回ではなく、複数の方法で伝える
・口頭+メール、ホワイトボード+LineWorksのメッセージなど 冗長に思えるくらいが丁度いい。
・伝えたあとに必ず“確認”する
「あの件、どう理解しましたか?」「誰まで共有できていますか?」と確認するだけで、伝達の精度は飛躍的に上がります。
聞き返されても怒らない、むしろ歓迎する。
質問や確認は「理解しよう」という能動的なサインです。快く受け入れる姿勢が、安心して質問できる文化をつくります。
【最後に】

DXの目的は単なるデジタル化ではなく、「人と人のつながり方を見直す」ことでもあります。
だからこそ、伝える責任と受け取る責任の両方を意識してほしいのです。
伝わっていなければ、何も始まりません。伝え方を変えることは、組織全体の行動を変える一歩です。
中間管理職以上の方は、その最初の一歩として、今一度「本当に伝えているか」を問い直してみませんか?
自分は大丈夫!
その慢心さが一番 「変わらなければいけないこと(change)」 かもしれません。